いま巷で流行っている”FIRE”という生き方についてあなたはどう思いますか?
僕自身は、この考え方が、ちょっと危険だなぁと思っていて
今日はFIRE思考の3つの危険性についてお話ししたいと思います。
動画でもお話ししていますので、文章を読むのが苦手、、、という方はこちらかご覧ください。
そもそもFIREとは?
ここ数年、本などで、FIREという言葉が
ある種のトレンドのように出てきていると思います。
FIREというのは
Financial Independence, Retire Early
の頭文字をとった言葉で、日本語にすると
———————————
経済的に自立し、
早期リタイヤしている状態
———————————
を指します。
FIREの中にも
いろんな種類のFIREがありますが、
平たく言ってしまうと、
働かずに、自身が保有している株や不動産などの資産から
収入が生まれ、その収入の中で生活できる状態です
「まさに夢のよう」って感じる方も多いかもしれませんが
「この状態を目指すのをやめませんか?」って話をしたいと思います。
まず、この生活に憧れる人の特徴として
今イヤイヤ働いていて
この労働、仕事から解放されたいという気持ちが
あるんじゃないかなぁって思います。
この状態から抜けて、
自分が働くことなく
お金が働いてくれて、お金がお金を産んでくれれば
どんなにいいことかと
願っているんだと思いますが
この状態について、
今日は3つの危険性をお話しします。
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FIRE思考の危険性その1:本当に幸せなのか?
「FIREを実現できるかどうか」の実現可能性は一旦置いておいて
仮に実現できた、として
その状態で生きることが
”本当に幸せなのか?”について考えたいと思います。
仮に1億円貯めることができたとして、
そこから4%毎年自由に使える状態に辿り着けたとしましょう。
1億円の4%なので、毎年の資産収入は400万円です。
仕事を辞めて、働くことなく
年間400万円という金額を手にする、という状態です。
この金額感だと、お金を気にせず、毎日豪遊する、
という感じではないですよね。
働かない分、日中はたくさんの時間があります。
そのたくさんの時間で「好きなようにお金を使って、生活しよう!」
と考えたら、400万円では足りなくなるかもしれません。
どちらかというと、FIRE達成後は、お金をあまり使わず、
節制して、淡々と同じ日々が続くと思った方が、現実的かなぁと思うんです。
少し話が変わりますが、
僕は以前仕事が嫌になって
2年間アフリカにボランティアに行ったことがあります。
ボランティア活動が軌道に乗るまで、
意外と暇な時間を過ごしていて、
まさにFIREに近いような状態で生活をしていたのですが、
この生活が2年間続くかと思うと、ぞっとした経験があります。
(たった2年間でも、ぞっとしました)
目の前にある膨大な時間を
うまく消費できず、押しつぶされそうになったのです。
仮に40代で、見事”FIRE”できたとして
残り50年という人生を
引退して
細々と過ごすとしたら、
意外とつらいんじゃないかなぁと思います。
人生というのは、平坦な道がずっと続くだけでは
退屈なもので、
ある程度、刺激が必要だと思うんですよね。
もちろんFIREをして、
その結果、手に入れた膨大な時間で、
没頭したい趣味などがあればいいと思います。
そういう明確な目的があって、
時間を手にするのは、素晴らしいことだと思うんですが、
多くの方が、そうではなくて、
ただ、今の仕事が嫌で、そこから逃れて、自由な時間が欲しい
だからFIREしたいっていう風に考えてしまうのは
危険なんじゃないかなぁと思うんです。
僕自身がアフリカ生活中に実感したことですが
「仕事で忙しすぎるのは確かにつらいけど、
仕事がなさすぎて、暇すぎるのはもっとつらい」でした。
ぜひこの辺り、しっかりと考えてほしいなぁと思います。
FIRE思考の危険性その2:今を犠牲にしがち
2つ目の危険性として、「今を犠牲にしがち」という話をしたいと思います。
FIREを達成するためには、
その資産収入の元となる「種銭」が必要なわけですよね。
先ほどは1億円の資産に対して、
毎年400万円の資産収入という例を出させていただきましたが、
その例に基づいて考えると
1億円の種銭が必要になるわけです。
そう考えると、
今、お金を使うのではなく、
そのお金で、株や債権などの金融資産を買ったりして
将来の利益に回そうとするわけですよね。
つまり、
今、楽しむお金を削ったり、
今、学ぶお金を削ったり、する傾向にあるんです。
そんなお金があったら、
「株を買おう」って
そして貯金額や投資額が増えることに
ニヤニヤするようになります。
銀行の通帳や証券口座の
数字が増えることが嬉しくなるんです。
資産が増えたとしても
当の本人は、お金を使って成長できていません。
本人はお金を使って経験する機会を失っています。
そして、
FIREした後も、
「ただ自由な時間を手に入れたい」という考えでは
成長しません。
そして、
限られた資産収入の枠の中で、
守るように生活をしていきます。
結局、「味が無い」ような淋しい人生になっちゃうんですよね。
どうでしょうか?
これ結構、
危険なんじゃないかなぁって思います。
お金を貯めるための人生ではなく、
味わうための人生だと思うんです。
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FIRE思考の危険性その3:トラブルに弱い
FIREという生活を成り立たせるために、
一般的には「4%ルール」という考え方があります。
統計上の計算ですが、
ある一定の条件で資産を保有すると
その4%を毎年切り崩していっても
数十年後も、高い確率で資産は減っていない、というようなものです。
こういう試算があるから、
この試算を頼りにして、毎年4%切り崩していくことができるのです。
でも、
その試算が
本当に自分のケースでも当てはまるのかわかりません。
もしかして、何かの拍子に
資産が大崩れすることだってないとも言い切れませんし、
(試算にはない想定外の金融ショック)
そのタイミングで
予想外の出費が必要になることもあると思います。
(試算に当てはまらない個人的な事情)
でも、そんな
「想定外」の事態にぶつかってしまった時に
FIRE思考になっていると、すごく弱いんです。
お金を、経験や成長に使うことを避け、
金融資産の購入に充て、
FIRE後も、一定の収入の範囲内で
淡々と生活をしていき、
そんな中で、
万が一の事態が起きて、
「お金が足りない」
「働かなければいけない」
という状態になってしまった時、
果たして、働けるのか?
果たして、社会に通用するスキルがあるのか?
こういう風に考えると
すごく弱いと思うんです。
FIREに対する個人的な見解
FIREとは、冒頭でもお話しした通り、
Financial Independence, Retire Early
の頭文字をとった言葉ですが、
僕の個人的な見解としては
前半部分は、賛成です。
Financial Independence,
経済的に自立することは大事だと思います。
苦しい・辛いと思いながらも、
お金のために我慢して働かなければいけない、
こんな状態は嫌ですよね。
そのために経済的に自立することはとっても大事なことだと思います。
ただ、後半部分の、
Retire Earlyに関しては、反対です。
経済的自立をしたからといって
早期リタイヤをする必要はないと思います。
没頭できる趣味やボランティア活動などがあれば
別ですが、
そうでない場合に
早期退職をして、
「生きがい」「やりがい」を見失ったり、
社会とのつながりがなくなり、孤独になったりしていくのも怖いと思います。
僕の意見としては、
Financial Independence, Life Workです。
早期リタイヤではなく、
一生現役で、
好きなことを仕事にする方が素敵な人生になると思います。
好きなことを仕事にしていくためにも
前半部分の経済的自立は
しっかりと勉強して取り組んでいくべき項目だと思います。
ただ、、、
今の仕事が嫌だ、
だから早くリタイヤしたい、
そのためにはFIREを目指せばいいんだ、
とりあえず今はお金を使わずにできるだけ節約して
金融資産を買っていけば、
10年後、20年後、もしくはそれ以降に、リタイヤできるかもしれない、
そんな風に考えてしまうのは
ちょっと危険だなぁと思って、
今日はこう言ったお話をさせていただきました。
何かの参考になれば幸いです。
本を読んで、一緒に人生を変えていきましょう^^